ビジネスインテリジェンスへの最新アプローチ
適切な意思決定を行い他社の先を行くうえで、データの理解は欠かせません。
組織には大量のデータがあります。市場の機微に通じている方でも、 その肩書が「~アナリスト」だとは限りません。手持ちのソフトウェアツールでは、データから価値を引き出すのにほとんど役に立たず、 差し迫った疑問を抱えている。そんな場合に力となってくれるビジネスインテリジェンスへのアプローチが今、必要とされています。データを使った意思決定の利点については、すでに十分に立証されています。
Economist Intelligence Unit による先ごろの調査では、上級管理職の 43% が、戦略的な意思決定においてデータは「きわめて重要」だと考えていることがわかりました。
この調査ではまた、データの利用が「同業者よりかなり進んでいる」組織では、「財務実績が同業者よりかなり良い」可能性が 3 倍高いという結果が出ています。しかし、こうした豊富な根拠があるにもかかわらず、ビジネスインテリジェンス (BI) に対する従来のアプローチでは、データの力を引き出せないことも珍しくありません。とりわけ BI ソフトウェアは、多くの場合複雑で柔軟性に欠け、遅いのが通常です。
このレポートでは、分析を見てすぐに理解し共有するのに役立つビジネスインテリジェンスへの最新のアプローチにおいて、鍵となる 7 つのポイントをご紹介します。取り扱っているデータがスプレッドシートにあってもウェアハウスにあっても、まったく異なるデータセットに分散していても、さらに、エグゼクティブからアナリストや IT 部門まで、部門や所在地にまたがって、オフィスでも外出先でも場所を問わずに使用できるソフトウェア。そんな、、組織全体を強化できるソフトウェアツールを探して評価する際は、次のようなポイントを考慮に入れてください。
1. スピード
2. 視覚的なデータディスカバリ
3. あらゆるデータに接続
4. リアルタイムコラボレーション
5. 総合的なガバナンス
6. スケーラビリティ
7. モバイル
ビジネスインテリジェンスに対する従来のアプローチでは、専門のレポーティングチーム内でのみ分析が行われています。しかしこれでは、企業がビジネスと同じスピードで重要な意思決定を行うことはできません。
最新のアプローチでは、考えるスピードでデータを見て理解することができます。膨大で多様なデータセットを扱う場合でも、質問が思い浮かぶと同時に答えを導き出せます。
データに影響力を持たせるには、インサイトから意思決定までのプロセスが迅速でなければなりません。最新のアプローチは、ソフトウェアのインストールから複雑なデータセットへのアクセス、インタラクティブなダッシュボードのパブリッシュ、組織全体にわたる共有まで、ワークフローのあらゆる段階で時間を短縮します。
各段階の高速化。従来のビジネスインテリジェンスと比較すると、最新のビジネスインテリジェンスは全段階で 10 ~ 100 倍高速です。
従来のシステムが導入に何か月もかかることもあるところを、最新のアプローチではわずか数時間しかかかりません。ビジネスの異なる部分から得たデータセットを、その場で簡単に組み合わせることができます。
また、高速なデータインフラを活用するためにデータソースとライブ接続を高速化する、インメモリ機能の利用という選択肢も生まれます
どれほど迅速に質問し、お使いのビジネスインテリジェンスソリューションからインサイトを引き出せるか考えてみましょう
迅速なインストール、保守、アップグレード
BI ソリューションの導入や変更に何週間も何か月もかかっていますか?
最新のBI ツールはわずか数時間または数日でインストールでき、IT チームによる保守とアップグレードもシンプルです。
レポートとダッシュボードを数分で
レポートやダッシュボードの作成や変更には、レポーティングチームが必要ですか?
そのチームには、処理できる量を超えた要望が殺到していませんか?
最新の BIソリューションは、レポート作成に専門のチームを必要としません。代わりにユーザーが数分で自らのダッシュボードを作成できるので、レポーティングチームは解散してスタッフを戦略的なプロジェクトに取り組ませることができます。
シンプルなオンボーディングとトレーニング
お使いの BI ソリューションでは、新しいユーザーがデータを分析してダッシュボードをパブリッシュできるようになるまでに、何週間ものトレーニングを必要としていませんか?
ユーザーはオンデマンドトレーニングを利用できますか?
最新のBI ツールは使いやすさに重点を置いており、新しいユーザーもシンプルかつ迅速に使えるようになります。オンデマンドコースとしっかりしたオンラインガイドがソリューションに組み込まれているので、疑問があっても答えを得ることができます。
Sony や BBC のようなブランドにサービスを提供しているソーシャルメディア管理企業の Tempero は、インタラクティブなダッシュボードを迅速に作成してそのクライアントと社外で共有しようと、最新のアプローチを導入しました。
Tempero インサイトおよびイノベーション責任者の Michael Conroy 氏は、BI の古い手法がビジネスのペースを低下させていたと述べています。「Tempero は、静的なレポートと数百枚のスライドで作った PowerPoint ファイルを使って、クライアントにデータを納品していました」と語り、そうしたレポートは作成に最大 2 週間かかっていたことを言い添えました。
スライドに代わって、現在 Tempero ではインタラクティブなダッシュボードを作成しクライアントと直接共有しており、氏によればこれはわずか「2 ~ 3 時間」のタスクだとのことです。この新しいプロセスにより、Tempero はクライアントとの関係を深化させることができました。「クライアントはログオンして、私たちが作ったビューを見ています」と氏は述べています。そしてその結果、氏が言うところの「データを巡る対話と呼ぶべきもの」が生まれています。
ビジュアライゼーションは生データに隠れたインサイトを明らかにしますが、適切なツールがなければその作成は遅く難しいものになる可能性があります。スプレッドシートでは、行と列でデータを分析し、提示する部分を選んだ後、表のその一部からグラフを作成する必要があります。また、従来のツールはウィザードやテキストベースのコマンドに依存しており、グラフの作成には多大な労力を伴います。
一方、最新の BI ツールではそうした手順を踏む必要がありません。シンプルなドラッグ & ドロップ操作で、データの視覚表現を簡単に作成することができます。最新の BI はビジュアル分析の原則を土台としており、スプレッドシートのページを調べ回らなくても、データから例外や外れ値、傾向を簡単に見つけられます。
また、最新のアプローチではセルフサービス分析も可能になります。ユーザーはより多くの質問を投げかけ、データにドリルダウンし、最終的には共有できるダッシュボードを作成することにより、視覚的な発見を最大限に活用することができます。そしてその中心にあるのが、* ビジネスと IT 部門の間のパートナーシップです。IT 部門はデータアーキテクチャを設計し、セキュリティとアクセス制御を実現します。ビジネスユーザーは、必要なときに必要な分析とダッシュボードを自身で手に入れます。その結果が、組織のデータ整合性を支えるだけではなく、重要な質問に答える力をユーザーに与えるような、IT 部門の統括下にあるセキュアな環境なのです。
精巧に作られたビジュアライゼーションは、ひらめきを生みます。ビジネスインテリジェンスに対する最新のアプローチでは、従来の BI で必要な手順を踏まずにデータの視覚表現をすぐ作成し、ユーザーが視覚化のオプションと迅速なフィードバックを得られます。
どれほど簡単に質問し、お使いのビジネスインテリジェンスソリューションからインサイトを引き出せるか考えてみましょう
使いやすいインターフェイス
お使いの BI ソフトウェアはわかりやすいですか?
直感的なユーザーインターフェイスを持っていますか?
ビジネスユーザーは自身の質問に対し、シンプルなビジュアライゼーションから答えを得られますか?
インサイトの共有は、PowerPoint に画像ファイルをエクスポートしたり、インタラクティブなダッシュボードを Web にパブリッシュしたりするのと同じくらい簡単でしょうか?
インタラクティブな発見とコラボレーション
お使いのソフトウェアでは、ダッシュボードのユーザーがビューのフィルタリング、パラメーターの調整、計算の作成といった基本的な分析タスクを実行できますか?
クラウドベースの統合サービスでビジュアライゼーションを共有できますか?
ユーザーは、特別なスクリプト作成やデータベースについての専門知識を必要とせずに、数秒で参照元の詳細なデータを調査できますか?
簡単にアクセスし結合できるデータソースお使いのソフトウェアは、テキストや Excel ファイルから、クラウドやエンタープライズクラスのデータベースまで、あらゆる形式のデータに数回のクリックで接続できますか?
共通のフィールドだけを使って異なるソースからデータをブレンドし、単一のビューに表示できますか?
ビジネスユーザーは IT部門から個々にサポートを受けなくても、こうしたタスクを達成できますか?
組み込み済みのビジュアライゼーションのベストプラクティスお使いの BI ソリューションでは、データの調査にふさわしいビューを見つけられますか?
最新のソリューションは、実績のあるベストプラクティスから導かれたビジュアライゼーションを提示して、分析を支援します。傾向を把握する必要がありますか?
最新の BI は、ユーザーのデータを使った散布図を提案します。地理的分布に関心を持っていますか? 最新の BI はユーザーのデータで色をつけたマップを作成し、特殊なファイルやプラグイン、ジオコーディングは不要です。こうした支援によってデータに集中しながら、ユーザーはフローに従って分析を行うことができます。
量でもデータストアの種類でも、データはあらゆる面で拡大を続けています。従来の BI では、データは統合されたエンタープライズスタックに移動できる、また移動すべきだという前提に立っていました。しかし、ほとんどの組織ではその前提は現実からかけ離れており、それぞれのデータベースを異なる場所に保持し続けています。
最新の BI は多様なデータセットに対応して、異なるシステムやビジネスのあらゆる部門から得た膨大なデータをユーザーが簡単に結合できるようにしています。このソリューションはあらゆるサイズのデータに対応し、ペタバイト級でも問題ありません。非構造化データにも生データにも、 そしてあらゆる企業に存在するスプレッドシートやテキストファイルにも対応します。さらに何より重要なのは、分析できるようにする前にデータを新しい場所に移動させる必要がないという点です。
同様に、最新の BI では異なるリレーショナルデータ、半構造化データ、生のデータのソースをリアルタイムでブレンドでき、高いコストをかけて事前に統合する必要はありません。また、データソースの入念な管理もサポートしており、全ユーザーに共通の情報ソースとなるメタデータの管理と拡張を管理者が行えるようにしています。その結果、 ユーザーはデータの調査を行うのに、データがどのように保存されているかを詳しく知る必要がありません。
ビジネスインテリジェンスのソリューションが持つ、あらゆる種類のデータを管理し活用する能力を評価する際に、次のパフォーマンス要素を考えてみましょう
補強データ
ユーザーはお使いのソフトウェアで、人口統計や市場調査などの社外データをその場で取り込み、社内データを補強できますか?
インメモリやライブ接続による高速分析
お使いのソフトウェアで、独自の高速インメモリソフトウェアを介して、または高速データストアへの直接接続によって、高速なクエリパフォーマンスを得られますか?
IT 投資の活用
お使いのソフトウェアで、ユーザーはすでに運用している既存のデータインフラを利用でき、IT チームはキューブや環境、スタンドアローンのデータマートをさらに作成する作業から解放されますか?
お使いのソフトウェアは、 ユーザーがセキュリティで保護されていない管理対象外のスプレッドシートにデータをコピーするのではなく、データをあるべき場所に置いたまま作業できるようにして、データセキュリティをサポートしていますか?
ビッグデータとクラウドウェアハウス
生、非構造化、半構造化のビッグデータで、お使いのソフトウェアは新しいデータベース形式に対応していますか?
Amazon Redshift や Microsoft HDInsight、Google BigQuery といった、クラウドでホスティングされているペタバイトクラスのデータウェアハウスへの接続は簡単ですか?
アーキテクチャ非依存
お使いの BI ソフトウェアは、一元管理型と分散型両方のデータアーキテクチャやベンダーに対応できますか?
お使いのソフトウェアは、モバイルデバイスやモバイルアプリケーションの急増に対応できますか?
どのように保存されたデータにも対応するハイブリッドソリューションを用意していますか?
Merkle は、Dell や Bank of America、Johnson & Johnson などの国際的なクライアントを持つ顧客関係マーケティング企業です。同社は、膨大なデータを日々分析しています。「当社ではあらゆる種類のデータを扱っています。ビッグデータもミディアムデータも、スモールデータもです。すべてのデータに対応しています」と、Merkle 社シニアビジネスインテリジェンスアナリストの David Andrade 氏は述べています。
Merkle はまた、SQL Server から Salesforce、Excel まで、多岐にわたるデータタイプにも対応しています。そのため、データタイプにかかわらず強力な分析機能を持つ BI ツールを探すことが、同社にとってきわめて重要でした。「そうしたデータのどの一片も、他のデータと同じように重要かもしれません」と氏は言います。
最新の BI ツールにより、氏とそのチームはデータ互換性の問題に縛られることがなくなりました。そして、分析に集中できるようになっています。「よし、じゃあこのデータソースからこれを、あのデータソースからあれを取って、2 つをブレンドしてみよう、と言えるのです」と氏は語っています。「本当に可能性は無限です。データさえあれば、構築することができます」
BI に対する従来のアプローチは、コラボレーションの妨げになります。用意されたレポートはすべての質問に答えてくれるわけではないうえ、ユーザーはいつの間にかソリューションではなく問題について討論していることも珍しくありません。さらに、レポートはある時点のスナップショットを捉えることが多く、その情報はすぐに古びてしまい、リアルタイムのコラボレーションが難しくなります。
会議中にデータをライブ操作してみませんか? 最新の BI を使うと、データのフィルタリングや並べ替え、議論、変換をその場で行えます。また、シンプルなドラッグ & ドロップ操作で、ダッシュボードをすぐに変更したり更新したりできます。ソフトウェアの洗練度が足かせになることはありません。ライブダッシュボードを Web ブラウザで表示したり、Salesforce や SharePoint のようなクラウドアプリケーションに埋め込んだりすれば、共有もシンプルです。
お使いのビジネスインテリジェンスソリューションで、リアルタイムのコラボレーションが簡単か考えてみましょう
モバイルネイティブ
意思決定は会議中や顧客訪問時、移動中にも行われます。お使いの BI ソリューションでは、どのような場所にいても分析からインサイトを得られますか?
クラウドホスティングのバージョンとネイティブのモバイルアプリは用意されていますか?
Web 上のパブリッシュと共有。タブレットやブラウザ、モバイルデバイスから分析の操作と編集を行いましょう。
拡張可能な共有メタデータ
組織は最新の BI ツールにより、一元管理されたデータソースと、共通の情報ソースとなるメタデータレイヤーを手に入れることができます。またユーザーも、自身の計算の追加、新しいグループやセット、パラメーターの作成、階層化によるデータの整理、別名の変更を行えます。簡単に使えるメタデータを活用すれば、ユーザーは簡単にデータソースを共有しリアルタイムでコラボレーションすることができます。
一元管理されたデータ
BI に対する最新アプローチではまた、パブリッシュされた全データソースを管理する中枢として、データサーバーを用意します。最新の BI では、アクセス権の変更、タグの追加、抽出の更新の管理を単一の便利な場所から行うことができます。更新されたデータソースはすぐに利用できるようになるため、組織ではデータの更新に従来費やしていた時間と労力を削減することが可能です。
データは、アクセスできるようになっていて初めて役に立ちます。どの組織でも、データのアクセス性とセキュリティをうまく両立させなければなりません。またデータアーキテクチャを定め、ビジネスの変化に合わせて適応させる必要があります。さらに組織は、インプロセスの「サンドボックス」環境からどの分析をどのように活用するかを判断しなければなりません。
従来のアプローチではデータとレポートに厳しい制限を設けており、専門のレポーティンググループにのみアクセスを許可します。このようなプロセスでは、データに基づくことがほとんどない分析や意思決定を採用するという、中途半端な結果に終わりがちです。一方、最新のアプローチでは、IT 部門はビジネスユーザーが作成できるものに制限を設けずに、ルールやガイドラインを設定することができます。従来の BI がデータへのアクセスを制限するところを、最新のアプローチは、データガバナンスを安全で信頼できるセルフサービス分析環境の構築に向けた重要なステップだと捉え、正確で利用可能な監査済みのダッシュボードとレポートにつなげます。
お使いのビジネスインテリジェンスソリューションが、どのようにデータの精度や可用性、監査を保証しているか考えてみましょう
精度
データは承認済みのソースを元としており最新のものであるとユーザーが信頼できなければ、セルフサービス分析に意味はありません。お使いの BI ソリューションは IT 部門と強力なパートナーシップを構築し、抽出でもライブ接続でも、データが完全に正確であることを保証していますか?
可用性とセキュリティ
全データにアクセスできるアナリストとは異なり、ユーザーの多数は参照元データへのアクセスを制限したトップレベルのビューしか操作できません。お使いの BI ソリューションは、自動的に認証を行い、データソースに対するユーザーの権限に基づいて、適切なレベルの詳細を表示するダッシュボードを使って、そうした区別を守っていますか?
監査
組織内のほとんどのデータには、何らかの機密レベルが設定されています。お使いのソフトウェアに、ビジネスユーザーがセキュアにタスクを作成してパブリッシュできるような、ロールベースとグループベースのセキュリティオプションはありますか? 総合的なセキュリティ制御とユーザーアクセスの完全な証跡 (法的要件であることが珍しくありません) が、つねに利用できるよう保証されていますか?
EMC は、世界中の企業がセキュリティニーズのバランスを取りながら、クラウドコンピューティングに移行できるよう支援しています。同社でBI と分析のシニアマネージャーを務める Wendy Gradek 氏は、ビジネスユーザーと IT 部門の間で実りあるコラボレーションを構築すべく、BI に対する最新のアプローチを取り入れています。「私たちは、市場での競争力を維持するために必要なスピードで、ビジネスを動かせるようにしたいと考えています。しかし同時に、データの安全性も確保したいと考えています」「何かを成功させるためには、3 つのチームが検討の場に揃うところからがスタートです。それは、事業部門、BI および分析チーム、そして IT 部門が一緒に取り組むことです」と氏は述べています。最新の BI により、正確なデータソースを維持する IT 専門スタッフと緊密な関係を保ちながら、氏のチームが自身の質問に答えるのに必要なデータにアクセスできるようになっています。「私たちには解決しなければならないビジネス上の問題があります」と氏は語り、最新のアプローチは、氏のチームが「迅速で正確、そして長期にわたって利用できる手段」で対応するのに役立っていると言い添えました。
組織は通常、少数のユーザーの分析プロジェクトから試しに始めて、時間をかけて拡大したいと考えています。しかしながら、従来の BI ツールでは設定と保守が複雑であり、導入の迅速な拡大は難しいものになっています。それどころか、機能の追加にはライセンス料金が別途必要なことも珍しくありません。その結果が、過剰で時期尚早という状態です。組織は、実証されていないニーズに応えようと最小構成のライセンスを大量に購入し、そのソフトウェアの大半は使われないままになるのです。
最新の BI ツールでは、小規模から始めてユーザーそれぞれのペースで拡大することができます。現時点のニーズが 1 つのデータソースを持つ 1 人のビジネスアナリストでも、また外出先からタブレットでレポートにアクセスする10,000 人の現場担当者でも、最新のソリューションは組織における分析活動の発展のあらゆる段階を支援します。
ビジネスインテリジェンスソリューションを評価する際、スケーラビリティで次の点を考えてみましょう。
あらゆる規模でパワフル
ユーザーと機能を簡単に追加し、組織固有のニーズに合わせて迅速に規模を変えカスタマイズすることができますか? 結果を迅速に出すシングルライセンスの 1 ユーザーから、ダッシュボードやデータソース、セキュリティ上の責任を共有している組織全体まで、最新の BI ツールはあらゆる規模でパワフルでなければなりません。
簡単なメンテナンスとアップグレード
お使いのソフトウェアは、IT 部門にとって管理とアップグレードが簡単ですか? 従来のアプローチでよく見られるインストールとメンテナンスの面倒な手順は、組織でアップグレードが遅れたりまったく行われなかったりする原因になります。最新のアプローチは展開の全段階でシンプルさに重点を置いており、企業は最新技術を活かすことができます。
SaaS、IaaS、クラウド
最新のソリューションは、ニーズにぴったり合った形でソフトウェアを導入できる柔軟性を備えています。インフラとメンテナンスの面で要件のない、きわめて迅速なセットアップが必要な場合は、 サービスとしてのソフトウェア(SaaS) のオプションを利用しましょう。これは、限りなく規模を変えられるフルマネージドサーバー上で、ソフトウェアを迅速に活用できるようにするものです。また、制御を強化する必要がありながらクラウドのスケーラビリティも手に入れたい場合は、 サービスとしてのインフラ (IaaS) のオプションを活用しましょう。これは、ファイアウォールや内蔵したセキュリティプロトコルのようなネットワーキングサービスを完全に制御しながら、高度にスケーラブルな仮想環境にソフトウェアを導入できるようにするものです。
制限ではなく選択肢としてのライセンス発行
オンプレミスソフトウェアが必須の場合、選択肢とシンプルさのバランスが欠かせません。特定のユーザーが分析を表示し操作するという場合は、アクセスするのにハードウェアを考慮する必要がない、ユーザー指定のライセンス発行モデルを利用できますか? ユーザーがより流動的でゲストアクセスが必要な場合は、構成のニーズにぴったり合うようカスタマイズされた、ハードウェアベースのライセンス発行を選択することはできますか?
ビジネスインテリジェンスに対する旧来のアプローチには、長い待ち時間が付きものでした。レポートは最初のリクエストから最後の提供まで、数日、さらには数週間かかることもありました。タブレットやスマートフォンのようなモバイルデバイスにレポートをフィットさせようとすると、その待ち時間はさらに長くなりました。分析に対する質問はあらかじめ渡しておかなければならず、現場や外出先で生まれた質問には何日も答えが得られませんでした。そして例外なく、席を離れると分析は中断していました。
モバイルアクセスは、今や BI に対する最新のアプローチの中心的な機能になっています。スマートフォンとタブレットへの対応は当初からソフトウェアに組み込まれており、デバイスにかかわらず分析の表示や操作、共有を行うことができます。その結果、ビジネスインテリジェンスは廊下の会話、立ち会議、幹部向け説明会、そして顧客やパートナーとの討議など、仕事を実際に行う場所に溶け込んでいます。データが必要なときには誰でもデスクにいるという前提は、ビジネスインテリジェンスの可能性を狭めてしまいます。
お使いのビジネスインテリジェンスソフトウェアが、どのようにモバイル分析を活用しているか考えてみましょう
最初からモバイルに対応
在宅勤務のテレワークを選ぶ人、業務の大半は移動や出張という人などがますます増えています。CEO から営業担当者まで、すばやく安定した接続環境でデータにアクセスできることは必須条件であり、贅沢ではありません。モバイルはお使いの BI ソリューションに最初から組み込まれていてすぐ使えるようになっており、並列システムやカスタムのワークフローを作成する必要はありませんか?
パワフルでカスタマイズされた機能
最新の BI は、単にデスクトップの操作性の一部だけをカバーしたものではなく、小さな筐体に合わせた機能を持っています。お使いの BI ソリューションは、モバイルデバイス上で迅速にダッシュボードを取得できますか?ビジュアライゼーションは見やすく、簡単に操作できますか? モバイル編集で、ビジュアライゼーションのフィルタリングやドリルダウン、まったく新しいデータの追加はできますか?
タッチ操作への最適化
右クリックや Ctrl+Z などの操作は忘れましょう。モバイルデバイスの操作は、デスクトップの操作とは根本的に異なります。お使いのモバイルソリューションでは、タップやフリック、ピンチなどのタッチスクリーン操作を使って、デスクトップで作成したダッシュボードを操作できますか?
米国南東部のコーラのほぼすべてのボトルを充填しているCoca-Cola Bottling Company (CCBC) では、従来の BI ツールが同社の成長の妨げになっていました。営業担当者が、現場に出て製品を売らなければならないときにオフィスに缶詰めになって、指標を検討して数字をはじき出し、レポートを作成していたことも珍しくありません。同じように出張中のエグゼクティブも、しばしば最新のデータや役立つダッシュボードを持っていない状態でした。
こうした課題を認識した同社は、モバイルでデータドリブンな営業チームの構築に着手し、現場の社員のためにモバイル BI ソフトウェアを搭載したiPad を購入しました。CCBC シニアビジネスアナリストの Shawn Crenshaw氏は現在、「モバイル性を念頭に置きながら、私たちの作成したものがすべて十分に効率的であり、誰もがクリック 2 回で開けその場ですぐ意思決定できる」ような分析ソリューションを構築しています。また CCBC のエグゼクティブも、モバイル BI に対する最新のアプローチから恩恵を受けています。「疑問があったら、Excel スプレッドシートなどの書類を引っぱり出さなくても、iPad で直接ダッシュボードにアクセスし、その場で答えを出すことができます」と Crenshaw 氏は述べています。
組織は、ビジネスインテリジェンスに一層の期待を寄せています。旧来のモデルで固定的なソフトウェア要件に従わなければならなかったところを、新しいモデルではユーザーが考え、業務を行い、行動する形に合わせることによってビジネスを拡張します。業界と規模にかかわらず、企業や公共機関、新興の組織はいずれも同様に、ビジネスインテリジェンスに対する最新のアプローチの特徴である、分析の文化を享受しています。
そこから得られる結論はシンプルです。ビジネスをどのように経営するか理解している人々に対して、データはそのあらゆる行動を支え、サポートすべきだということです。ユーザーとその組織を支援する BI ソリューションを考えるとき、鍵となる次の 7 つの影響面を評価することを忘れないでください。
スピード
視覚的なデータディスカバリ
あらゆるデータに接続
リアルタイムコラボレーション
総合的なガバナンス
スケーラビリティ
モバイル
最新のアプローチは、ユーザーとそのデータをつなげることに重点を置いています。Allstate Insurance の Marta Magnuszewska 氏は、同社が最新のビジネスインテリジェンスを導入したとき、自身の仕事に180度の変化を感じなりました。「以前なら、それはいつも行と列に並んだ数値でした。今では、傾向やストーリー、そしてデータがもたらすパワーを実際に見ることがとても簡単になったので、新しい分析を行う機会が待ち遠しくなっています」と述べています。
簡単に得られるデータの力で、何を目指しますか?
「以前なら、それはいつも行と列に並んだ数値でした。今では、傾向やストーリー、そしてデータがもたらすパワーを実際に見ることがとても簡単になったので、新しい分析を行う機会が待ち遠しくなっています」
— ALLSTATE INSURANCE、MARTA MAGNUSZEWSKA 氏