サピエンス全史(下)
文明の構造と人類の幸福 サピエンス全史 文明の構造と人類の幸福
サピエンス全史(上)からの続き
宗教は、超人的な秩序の信仰に基づく、人間の規範と価値観の制度と定義できる。
1. 宗教は、超人的な秩序の存在を主張する
2. 宗教は、超人的秩序に基づいて規範や価値観を確立し、それには拘束力があると見なす
神聖な愛は限りなく偉大なので、神は人間としてこの世に現れ、自らがひどい苦しみを与えられ、十字架にかけられることを許し、それによって、原罪を?い(漢字がわからない)、神への信仰を告白した者全員に天国の扉を開け放ったと信じられていた
信仰は不可欠であるものの、それだけでは十分ではない
天国に入るためには、信者は教会の儀式に参加し、善行を成さなければならない
苦しみは不運や社会的不正義、神の気まぐれによって生じるのではないと悟った
心はたとえ何を経験しようとも、渇愛をもってそれに応じ、渇愛は常に不満を伴う
心は不快なものを経験すると、その不快なものを取り除くことを渇愛する
快いものを経験すると、その快さが持続し、強まることを渇愛する
したがって、心はいつも満足することを知らず、落ち着かない
痛みのような不快なものを経験した時には、これが非常に明白になる
痛みが続いている限り、私たちは不満で、なんとしてもその痛みをなくそうとする
だが、快いものを経験した時にさえ、私たちは決して満足しない
その快さが消えはしないかと恐れたり、あるいは快さが増すことを望んだりする
人々は愛する人を見つけることについて何年も夢を見るが、見つけた時には満足することは稀だ
もっと良い人を見つけられたのではないかと悔やむ人もいる
この悪循環から脱する方法
心が何か快いもの、あるいは不快なものを経験した時に、物事をただあるがままに理解すれば、もはや苦しみはなくなる
人は悲しみを経験しても、悲しみが去ることを渇愛しなければ、悲しさは感じ続けるものの、それによって苦しむことはない
じつは、悲しみの中には豊かさもありうる
横呼びを経験しても、その喜びが長続きして強まることを渇愛しなければ、心の平穏を失うこともなく喜びを感じ続ける
では、物事をあるがままに受け入れるためにはどうすれば良いか
「私は何を経験していたいか?」ではなく「私は今何を経験しているか?」にもっぱら注意を向ける
meganii.icon過去や未来ではなく、今この瞬間を生きるということかな?
ゴータマは、瞑想術の基礎を作り上げた
涅槃の境地に達した人々は、あらゆる苦しみからすっかり解放される
空想や迷いとは無縁で、この上ない明瞭さを持って現実を経験する
渇愛しない人は苦しみようがない
今まで仏教についてはあまり調べて来なかったが、アプローチの仕方が自然だと感じた。神を崇めるのではなく問題は常に自分自身の中にあるという考え方
ナチスの主張
歴史はどの時点をとっても、分岐点になっている。過去から現在へは一本だけ歴史のたどってきた道があるが、そこからは無数の道が枝分かれし、未来へと続いている。それらの道のうちには、幅が広く滑らかで、はっきりしており、したがって進みやすいものもあるが、歴史(あるいは歴史を作る人々)は、ときに、予想外の方向に折れることもある
私たちはなぜ歴史を研究するのか?物理学や経済学とは違い、歴史は正確な予想をするための手段ではない。歴史を研究するのは、未来を知るためではなく、視野を拡げ、現在の私たちの状況は自然なものでも必然的なものでもなく、したがって、私たちの前には、想像しているよりもずっと多くの可能性があることを理解するためなのだ。
例えば、ヨーロッパ人がどのようにアフリカ人を支配するに至ったかを研究すれば、人種的なヒエラルキーは自然なものでも必然的なものでもなく、世の中は違う形で構成しうると、気づくことができる。
原子力爆弾の話
空白の地図に代表されるように、何もわかっていないということがわかった
帝国主義・科学技術・資本主義のフィードバック・ループがうまく回った
得た科学技術をもとに、さらに技術革新を行う。ポジティブフィードバック
科学者が優先順位を決めることはない。科学者たちは純粋な好奇心から研究を行うのだが、その使い道はイデオロギーによって判断される
近代以前の経済
1.将来を信頼しない => 2.信用がほとんど発生しない => 3.経済成長が遅い => 1へ
近代の経済
1.将来を信頼する => 2. 信用が盛んに発生する => 3. 経済成長が早い